「会社設立」は「新規ドメインの取得」と同じようなもの??「法人化」について考えてみます~!
こんにちは~ 国分坂です。
さて、今回は「会社の設立」について考えてみたいと思います。
・・どうして、会社を設立するの?・・・
これ、根幹的な疑問なのですが、恥ずかしながら司法書士である私も、自信をもって「なぜならば!」とお答えすることが出来ないでいます・・
・売り上げが高くなると、個人事業主より法人の方が税制的に有利だから
・取引をする際、株式会社でないと契約を結んでくれないことがあるから
・銀行からの融資を受けやすくなるような気がするから・・・
・なんとなく、会社の方が信用度が高いような気がするから・・・
うーむ。
ならば、さほど売り上げがなければ法人化しないで個人商人でよいのか。
個人としての信頼を勝ち得ていれば、法人化しないでよいのか。
うーむ。
そんな気もしますがねえ。でも、なんか、しっくりこないんです。
では、そもそも「法人」とは、なんなのでしょうね?
民法に規定がありますよ。
民法33条1項
法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。
民法34条
法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
実はですね、我々人間は、生まれながらにして「権利を有し義務を負う」ことができるのですが、それ以外の存在は、基本的には「権利を有し義務を負う」ことができないのですね。
たとえば、可愛い可愛いワンちゃんが居たとしまして、そのワンちゃん(ネコちゃんでも構いませんが)は、「権利を有し義務を負う」ことができないのです。
あなたが可愛いワンちゃんに財産を贈与したい、と考えても、ワンちゃんは財産を受け取ることができないのです・・
(許せませんか?許せませんよね?・・でもすみません、現代の法体系ではそのような結論になってしまうのです・・なお、愛するワンちゃん(ネコちゃん)に自分が亡くなった後に財産を残せないのか?ということに関しては、「信託制度」が使えるかもしれないので、そのうち記事にしてみますね~!)
「権利や義務の主体」になれるのは人間だけが原則。(そんなオソロシイ考え方で構成されているのですね、現代社会は・・)
牛だって、カマキリだって、カモメだって、生きていますが「権利や義務の主体」にはなれないんですよ。
そして、この例外が「法人」なのです。
人間以外に「権利や義務の主体」になれるのが、法人。
法人は例外的に「権利や義務の主体」になる地位を認められているため、「法律の規定によらないと成立しない」とか、「目的の範囲内において、権利を有し義務を負う」とされているのです。
むかし、「平家にあらずんば人にあらず」なんて言葉が横行したようですが、
現代は、「人間であらずんば原則人にあらず。但し、法人を除く」というわけなんです。
「法」の規定により作られた「人」、これが「法人」なんですね。
そう考えると、「法人」て、なかなか凄いものなんですよ。
愛すべきワンちゃんネコちゃん、牛くんたちには叶わなかった地位を、限定ながら認められた存在なんです。
つまり、自分以外の「権利や義務の主体」、「権利を有し義務を負う」ものを作り出すという行為が、法人化、ということなのです。
・・ところで皆さんは、複数の「ドメイン」をお持ちでしょうか?
実は私、持っているんです!
いや、実はですね、私、小説を書き始めてしまったんです。しかも、かなり「実験的な小説」を。
その小説を置く場所を、別のドメインを取得して、開設しちゃったんですよ。
ここ「国分坂ブログ」とは雰囲気が異なる「実験小説」なので、別に分けた方が双方にとっていいのかなあと。
(最近、こちらの「国分坂ブログ」の更新が遅くなっておりますのも、実は、そちらの小説にかなり時間を取られてしまいまして・・ごめんなさい!)
つまりですね、やりたいことの雰囲気やイメージが異なる場合、もう一つのドメインを使う、というのは有効なような気もするんです(広告収入とかを目指すのだとすれば、勢力が分散されるので避けるべきだとは思いますが・・)。
上の「小説【呪文堂】」は、まず見た感じのインパクトを少し「おどろおどろしく」したかったのですよ。でも、それをここ「国分坂ブログ」ですることは無理なんですね。
なので、別のドメインを取って、別のブログを立ち上げた、というわけです。
これ、実は、「法人」も同じことだと思うんですよ。
自分という人格から少し離れたところで、新しいことをやってみたい
実は、これこそが「法人」の最大の役割、面目躍如の場なのでは?と思うわけです。
自分という人格(キャラクター)は、周囲の人間関係の中で構築される、という部分が結構強いのだと思うんですね。
与えられた役割や地位、しがらみなど。
そこから抜けて、違う人格(キャラクター)で新しいことをしたい、ネットというバーチャル世界のみならず、リアルな現実世界においても、需要があるのだと思います。
その際に、「法人」は有効ですね。
実際、そんなご要望を受けたことがあります。
強面の不動産業でばりばり仕事してきた社長が、還暦過ぎて、財産もつくりあげ、今度は社会のために何かしてみたい、と思ったそうです。でも、今の不動産会社のイメージを損なうことは避けたい。そこで、新たな法人を設立して、学術関連の仕事をこっそりと始める、そんなケースです。
もしかしたらその社長、こわい顔したおじさんですが、本当は、その学術関連の仕事こそを、長年やりたかったのかもしれません。でも、与えられた立場やしがらみのため、とてもそれをすることは出来なかった。
株主兼社長として君臨する現在でも、後継者や重役連中に気を使い、本体の不動産会社で自分の趣味的な仕事をすることは憚られた。
そんなときに、新たなキャラクター(人格)として、新法人設立、という手段を用いたわけですね。
もちろん、一般的には、個人事業主が法人化するかどうかを考える際には、「売り上げと税制からの判断」、「取引先や金融機関などからの信頼性確保のため」、といったことを勘案して、法人化を考えるのだと思います。
ただ、なんとなく、「それは本質的なことなのだろうか?」という疑問が長年ありましたため、この記事を上梓してみた次第なんです。
あくまでも、私の個人的な疑問、というレベルでして。
(なので、カテゴリーも「お役立ち情報」ではなく「雑記」にしておきました(笑))
皆さんは、如何思われますでしょうか?
以上、「会社設立」は「新規ドメインの取得」と同じようなもの?でした!
お読みいただきまして、誠にありがとうございました!!
あ、「呪文堂」もよろしくお願いします!!