国分坂ブログ

「歩くこと」「考えること」が好きな、国分坂です!

自然災害で被災したら、まず『罹災証明書(りさいしょうめいしょ)』!!

大変にご無沙汰をしてしまいました。国分坂でございます。

すみません、いろいろとありまして、筆が滞りまくっております。

 

ところで、過日の「台風19号」、皆様、大丈夫だったでしょうか?

被害に遭われた皆さまにおかれましては、心よりお見舞い申し上げます。

 

実は私、東京司法書士会の災害相談員というものに登録していますが、先日から「台風被害に関する無料電話相談」というのを実施しています。

私も受け持っておりますが、なにかご相談事・お悩み事などありましたら、是非、東京司法書士会事務局まで、お電話してみて下さい。

 

【台風被害に関する無料電話相談会】

0120-279-191(午後13時~午後16時まで)

 

www.tokyokai.jp

 

それにしても、台風15号といい19号といい、とんでもない破壊力でした。

私は随分と前に、東京司法書士会の震災対策委員などをやっていたのですが、「甚大な自然災害=地震」という構図が、なんとなくあったんですね。

それが、台風19号を経験したことで、「甚大な自然災害=台風・地震」となったような気がします。

これ、凄いことですよ。

地震はたしかに恐ろしいものですが、そのスパンは数年から数十年ですよね。ところが台風は「毎年」です。

「毎年」、あんな台風がしょっちゅう日本列島を襲うとしたら・・・

どうなってしまうのでしょう?

(台風19号で江東区や江戸川区などのゼロメートル地帯が水没するかもしれないと、かなり本気でささやかれていましたが、今回はなんとかなりました。・・しかし、次回も大丈夫なのでしょうか?)

 

世界規模なのかどうかは分かりませんが、どうにも、近時のデーターでは測りきれないことが、現在、そしてこれから、進行していくことになりそうです。

 

つまり、自然災害が、今までより極身近なものになってしまった可能性があります。

 

そこで今回は、「被災したら取り敢えずこれだけは!」という「罹災証明書(りさいしょうめいしょ)」について、ごく簡単に触れてみたいと思います。

 

 

1.罹災証明書とは?

「罹災証明書(りさいしょうめいしょ)」って、聞いたことありますか?

これ、とっても重要なものなんです。

この記事で一つだけ覚えておいて欲しいことは、「もしも被災したら、罹災証明書(りさいしょうめいしょ) 」です。

呪文のように覚えて下さい。

 

「罹災証明書(りさいしょうめいしょ)」とは、市町村が作成する「災害による被害の程度を証明する書面」のことです。

お住いの市町村に「罹災証明書(りさいしょうめいしょ)」の発行を要求すると、市町村は遅滞なく被害状況を調査し、「罹災証明書」を交付しなければならない、とされているのです(災害対策基本法第90条の2)。

 

ではなぜこの「罹災証明書」が重要なのか?

簡単に言いますと、被災者支援は「罹災証明書」を受け取ることからスタートするからです。

 

自然災害により甚大な被害が発生すると、次のような法律や制度の適用があります。

・災害救助法

・被災者生活再建支援法

・自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン

 

これら法律等の説明は今回は省きますが、簡単に言いますと、これらの法律等で支援を受けるには、申請時に「罹災証明書(りさいしょうめいしょ)」が必要になる、ということなんです。

 

ひとつひとつの法律を見ながら、自分がその要件に該当するのか?といった検討も、おいおい必要になっていくかもしれませんが、被災後、身の安全を確保できる状態になったら、まずはお住いの市町村長役場へ行って「罹災証明書」を請求し、それと同時に救助・救援に関する情報を役場で仕入れてくる、といった行動が必要だと思います。

 

2.適用される法律は刻々と変わる

これはちょっと専門的な話になるかもしれませんが、たとえば「災害救助法」の適用などに関しては、発災直後ではなく、数日してから「発災時にさかのぼって適用」という発表が、政府からなされたりします。

地域によっても、すぐに適用される場所、数日してから適用が発表される場所などまちまちです。

ですので、支援のための法律の適用を調べる際には、かならずインターネット等で最新情報を確認してから、適用される法律を見ていく必要があります。

これに関しては、内閣府の「防災情報」などを活用してみてください。

 

www.bousai.go.jp

 

例)台風19号での「被災者生活再建支援法」の適用の有無

「防災情報のページ」TOP

  ↓

上の7つ並んだ枠の中の「被災者支援」をクリック

  ↓

下の方にスクロールしていくと「被災者生活再建支援法」があり、その上から7つ目にある「被災者生活再建支援法の適用状況について(公表資料)」をクリック

  ↓

「令和元年台風19号による災害」をクリック

  ↓

すると、いつ、どこで、「被災者生活再建支援法」の適用が公表されたかが、出てくるわけですね。

 

とっても見にくいサイトなんですが、私などはこれでちょくちょく確認しながら、法律の適用状況をみています。

 

3.最後に。自分の住まいは大丈夫?ハザードマップの確認

みなさん、ハザードマップ、確認したことありますよね?

えっ!したことない??うそでしょ~!?

是非、確認してください!

各市区町村で作成しておりますから、インターネットでも閲覧できますし、役所にいけば紙の地図のようなものをもらえるはずです。

ハザードマップには「洪水」「地震」「津波」等、いろいろな種類のものがあります。それぞれに目を通していただき、お住まいの地域の弱点などを、確認しておくべきでしょう。

 

なお、下記は国土交通省の「ハザードマップポータブル」です。

disaportal.gsi.go.jp

 

 

この前の台風19号でも、スマホに災害情報警告音がピーピーと鳴っていました。

「命を守るための行動をしてください!」と警告されるのですが、その「命を守るための行動」って・・なんなのでしょうか?

 

「命を守るための行動」。

これは、「自分自身で考え得る、最適な行動」のことです。

残念ながら、国も市町村も、個々人の「命を守るための最適な行動」を判断することはできません。それぞれ状況が違いますしね。

なので、災害が起きたら「このような災害ならば問題ないだろう」、「このような状況なら避難は不要だ」、「いま避難したらかえって危ない」、「いやすぐに避難すべきだ」などと、自分自身で判断できるようにしておくことが望ましいのです。

そのためには、ハザードマップなどでお住いの地域の状況を確認し、また、お住いの家や周辺の特徴などを、しっかりと把握しておく必要があります。

 

まあ、このような話は、もう随分と昔からなされてきたわけです。

でも、その対象は「いつ起こるか起こらないか解らない地震」がメインでした。

だから「分かってはいるけど、まあそのうちに」という感じでしたね。

 

・・ところがです。

今回の「台風19号」は、その概念を覆したのです。

恐れるべき対象に、「毎年発生し得る、しかも年に複数回発生し得る、台風」が加わったのです。

・・これはもう、待ったなし、なのですね。

今一度、ハザードマップを確認し、ご家族との連絡方法の確認、非常食などの確認、避難場所やその経路の確認などをしておくことをお薦めいたします。

 

ところで、映画『天気の子』ですか?

まだ見ていないのですが、なんだかちょっと、気になりますねえ。

tenkinoko.com

 

以上、自然災害で被災したらまず罹災証明書(りさいしょうめいしょ)でした!

ここまでお付き合いを頂きました皆様、ありがとうございます!

これからも、何卒宜しくお願い致します!