国分坂ブログ

「歩くこと」「考えること」が好きな、国分坂です!

マンション・アパートの契約。契約前に必ず契約書を確認!かならず「契約前に」ですヨ!

こんにちは。国分坂です。

さてさて、桜舞う春ですね。お引越しの時期でもありますね。

新入社員の皆さん、新入生の皆さん、転勤される皆さん。

もう、新居はお決まりですか?

まだだよ~、これから探すよ~、という皆さん、是非、マンション・アパートを借りる際には、事前に契約書を確認するようにしましょう!

 

 

国土交通省の「ガイドライン」

マンションやアパートを借りたとき、もっともトラブルになるのが退去時の「原状回復義務」についての問題ですね。

国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を出すようになってから、少しは問題が減ったかな?と思っていましたが、いやいや、結構トラブルになっているようですよ。

 

「原状回復義務」というのは、退去時に借主が負う義務ですが、ごく簡単に言うと、「壊したり汚した場合は元通りにして返してね。もしくは修繕費用やクリーニング代を負担してね」という、借主の貸主に対する義務のことです。

 

ここで問題になるのは、「汚した場合」の解釈です。

ポイントになるキーワードは、「自然損耗(しぜんそんもう)」という言葉。

「自然損耗」とは、「借主が通常の使用方法においても生じる損耗(そんもう)」のことをいいます。

たとえば、壁紙が日焼けなどにより変色するとか。和室の畳が日焼けしたり、けば立つとか。冷蔵庫裏の壁が黒ずむとか。ベッドの下のカーペットが白っぽくなるとか(ベッド下以外の部分が日焼けすることで、日焼けしなかったベッド下のカーペットが目立つんですね)。

つまり、普通に使っていても老朽化していくこと、これが「自然損耗」です。

 

一方、この「自然損耗」以外の損耗、つまり借主の過失などで壊してしまったもの、汚してしまったものなどがありますよね。

たとえば、タバコのヤニで壁が汚れてしまったとか、タバコの火でカーペットに焦げ目がついたとか、家具をぶつけたことで床に傷をつけてしまったとか。

これら、借主のせいで壊れた場合や汚れた場合は、「自然損耗以外の損耗」ということになります。

 

先程の国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、ざっくりいうと、「自然損耗」については貸主が負担「自然損耗以外の損耗」については借主が負担、と定めています。

そして、もしもそのように定めない場合(「自然損耗」についても借主が負担する等)には、そのことを契約書に「特約」として定めて、貸主と借主がその「特約」をちゃんと理解したうえで契約するようにしてね、としています。

なので、通常の賃貸借契約書には、このガイドラインに基づき、「原状回復」についての定めが記載されていることが一般的なんです。

 

国土交通省HP

www.mlit.go.jp

 

そこで、借主となる皆さんが賃貸借契約を結ぶ前に必ずやらなければならないのは、契約書に「原状回復に関する定め」があるかどうか、その定めの内容はどうなっているのかを、事前に確認することなんです。

 

事前に物件に足を運び中を見る(「内覧」)ことも、とっても重要ですよね(できれば、朝と夜、平日と休日など、時間帯を変えて内覧すると良いと思います)。

これと同様に、「契約内容」を事前に確認することも、とても大切なことなんです。

いまどき、国土交通省のガイドラインを無視して「原状回復」に関する条項を契約書に定めていないなどというものは論外ですし、「自然消耗」に関しても借主の負担とする、などという特約にしているものも論外です。

 

だって、たとえばレンタカーを借りた際、その車の洗浄代を請求されますかね?車のタイヤが少しすり減ったからと、タイヤの交換料金を請求されますか?

これはマンションやアパートなどの不動産であっても、全く同じです。通常使用による損耗は、ごく常識的に考えて、貸主側が負担するのが当然なのです。

国土交通省のガイドラインは、そのことを言っているに過ぎないのです。

 

にもかかわらず、「特約」により「自然損耗」についても借主の負担にしようとする貸主さんは、かなり「自己中心主義的」な貸主、と言わざるを得ません。

そのような「自己中心主義的」貸主さんと賃貸借契約を結んでしまうと、原状回復義務以外でも、いろいろなトラブルを抱えてしまうかもしれないですよね。

ご注意くださいね。

 

よって、「契約書の中身はしっかりと確認しておくべき」なんです。

 

契約書は事前に確認する!できれば内覧時に!

契約書の中身の確認は、契約をする前、できれば内覧のときやそのすぐ後に、行うべきだと思います。

「契約をする」という段階になってからですと、その場で変更を申し出ても貸主側が応じてくれなかったり、また自分の方も「もうこの物件に決めてしまいたいから、まあいいか」と諦めてしまったり。

 

つまり、「物件を選択する段階」が終わる前に、契約書の中身を確認すべきなんです。

契約書の中身も、「物件を選択する材料」であるべきなんです。

 

「内覧」により物件の物理的状態や周辺環境が確認できるわけですが、「契約書の確認」により貸主の特性が確認できるのです。

契約書の中身、特に原状回復義務に関する定めなどがガイドラインに基づく常識的な規定になっていれば、おそらく常識的な貸主であろう、と確認できるわけですね。

そのことが確認できたうえで、是非「物件の選択」をして頂きたいわけなんです。

 

よほどの事情でなければ、「内覧」をしないでマンションやアパートを借りてしまう、ということは無いのだと思います。

でも、よほどの事情がなくても、「契約書の確認」をせずに、契約に臨んてしまう方は多いのではないでしょうか?

このことが、賃貸借契約でのトラブルを引き起こす要因の一つになっている、と私は思うわけなのです。

 

是非、仲介の不動産屋さんに、内覧をさせてもらう物件や、内覧をして候補に挙がった物件については、契約書の写しを事前に出して貰うようにしてください。

もしも「事前に契約書は出せない」という仲介さんや貸主さんであったとしたら、そもそも問題ありの方々なのですから、ご縁がなかったとお別れするのが無難でしょう。

誠実な仲介さんや貸主さんであれば、事前に契約書を確認されたとしても、当然ながら全く問題ないはずなのですから。

 

そして、契約書の中身に疑問があった場合には、是非仲介さんに質問したり、場合によっては司法書士や弁護士などによる無料相談会等で、確認するとよいでしょう。

契約書の中身の疑問は、必ず解消してから契約締結に臨むようにしてくださいね。

 

また、契約書の中身で変更を求めたい部分があれば、是非、仲介さんを通じて、貸主さんに交渉してもらうとよいでしょう。

そして、貸主さんの対応をみて、その物件を選択するかしないかを、考えても良いわけです。

(たとえば、借主による解約の告知期間が「1か月前」ではなく「2か月前」とか「3か月前」とかなっている契約書もたまに見かけます。そのようなものは「1か月前」に変更してもらうよう、交渉しても良いでしょうね。)

 

 新たな住まいを借りる際、是非、これらを実践してみて頂ければと思います。

気持ちよく賃貸借契約を締結し、気持ちの良いスタートを切って頂きたい、国分坂の切なる願いなのです!

というわけで、以上「マンション・アパートの契約、契約前に必ず契約書を確認!」でした!

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました!