『風の谷のナウシカ』を考えます!まずは「序章の序」!です!
【この記事のまとめ:映画版『風の谷のナウシカ』を観て触発されたため、原作『風の谷のナウシカ』を、少しだけ語らせて頂きます!】
【この記事の対象(特に読んで頂きたい方):ジブリ映画が好きな人、『風の谷のナウシカ』が好きな人、ちょっと難解な物語でも楽しめる人】
この前の金曜ロードショー、『風の谷のナウシカ』でしたね!
何気なくテレビを点けたらやってまして、
ついつい魅入ってしまいましたよ~
1.はじめに(「映画版」は「原作」の「序章の序」)
私にとって、『風の谷のナウシカ』は、「人生で出逢えた最高の一冊」のうちのひとつ!であることは間違いありません。
あ、「映画」の方ではなく、「原作」の方ですね。
ご存じの方も多いかと思いますが、金曜ロードショーでもやっていた映画版『風の谷のナウシカ』は、原作のごく一部にすぎません。
いわば、原作の「序章の序」。
映画版『風の谷のナウシカ』は、自然を破壊する人間のエゴ、醜さ、悲しみ、といったことを表現していますが、原作はそこでは終わりません!
原作では、人間のエゴは更にスケールアップし、ある意味「賞賛に値する域」にまで達しますが、自然の深淵さは、もう桁違い。
まるで暴れ回る孫悟空を、掌で遊ばせるお釈迦様のように、自然は圧倒的存在として表現されています。
実は、私の「哲学」「人生観」は、原作『風の谷のナウシカ』から、かなりの影響を受けている、といっても過言ではなさそうなんです。
原作『風の谷のナウシカ』は、もう『ナウシカ学』として体系化すべきくらいのもの凄いテキストだと思いますし、簡単に考察できるシロモノではございません。
しかし、「守・破・離」の教えに従い、
当ブログもいずれ『ナウシカ学』には真っ向勝負しなければならない!
と、静かにそしてめらめらと、
青い炎をたぎらせている次第です!
ただ、残念ながら、まだその時にあらず、でして・・
準備不足です!
なので今回は「序章の序」。
映画版『風の谷のナウシカ』と同じ立ち位置です~
というわけで、
すこし肩の力を抜いて、
思いつくままに『風の谷のナウシカ』を語らう、
ということを、お許し頂ければと思います!
2.オウムの目は信号機?
まずは、オウム。虫の王様であり、自然界の象徴的な存在。いわば、アニミズムでいうところの「龍」のような存在でしょうか。
面白いのは、普段は青い眼をしているのに、怒ると目が赤くなる、ということ。
分かりやすいですよね?オウムに限らず、虫たち全ての特徴です。
「普段は青い眼をしているのに、怒ると赤くなる」
そう、まるで信号機のようです。
こんなに感情が分かりやすい生物、なかなかいませんよ?
そうなんです、
虫たちは人間にとって、非常に「分かりやすい」生き物なのです。
最終局面で明らかになっていくことが、実は物語の最初、映画版でもヒントとして出ていたのですね!
しかしながら、他の虫は「分かりやすい」止まり、かもしれませんが、
オウムは「分かりやすい」という表層だけでなく、「深い深い深淵」をも内包する生物なんですね。
その深淵は、どこまで下りていくのか?どこに繋がっているのか?
これは、原作『風の谷のナウシカ』のとても重要なテーマなので、また改めて考察しましょう。今回は「序章の序」ですからね。
3.ナウシカ、ユパ、クシャナの三者の役割は?
映画版でも重要な役割を演じる三者、原作では更に象徴的な存在となる三者です。
まずは、主人公のナウシカ。
人間界と自然界の境、中間に位置するひとです。
普段は人間界にいますが、気を抜くと心が自然界の方へふらふら~と行ってしまう、そんな不安定さを持った女性です。
巫女さま的な素質を持つのでしょうか。
とっても魅力的な人物ですが、異界的な「こわさ」をも併せ持ちます。
各地を遍歴し神と交信した「吟遊詩人」的な存在、ともいえそうです。
次は、主人公ナウシカのお師匠様であるユパ。
腐海一の剣士にして、ナウシカの父、族長ジルの旧友です。
初老の男性ですが、とびきり腕が立ち、頭脳明晰で胆力がある、そんな一騎当千のひとなんです。腐海の謎を明らかにするため、世界を放浪します。
身は自然界に置きながらも、心は常に人間界にある、
人間のために命を捧げる、そんな人物です。
一騎当千の能力を有しながら、おそらく学者肌なんでしょうね、「隠者」的な存在、といえるひとです。
最後は、トルメキアの皇女、クシャナ。
残念ながら映画版では描ききれておりませんでしたが、原作では、非常に魅力的で有能で、温かさと冷徹さを併せ持つ女性なのです。
ナウシカに、唯一対抗できそうな存在です。
(どちらも「女神様的存在」ですね。)
原作では「傷ついた大きな鳥」と表現される彼女ですが、
最終局面まで、自然界と対峙しながら、人間界で修羅のようにして生き抜きます。
進む先がたとえ「虚無」の世界であったとしても、そのことを分かっていても、足を止めずに進んでいく、そういう覚悟を持ったひとです。
ぼろぼろになりながらも、ひとびとの先頭に立つ、まさに「英雄」的存在です。
4.是非「原作」をお読み下さい!
「自然界」と「人間界」という対立軸、
「英雄」「隠者」「吟遊詩人」という古典的な配役、
そういう分かりやすい舞台装置を用いながら、
しかし物語は、途轍もなく重奏で破格な世界観を表していくのです。
この記事は「序章の序」ですから、
できる限り「ネタバレ」はしないように気をつけております。
もしも原作『風の谷のナウシカ』をまだお読みになっていない場合は、是非ぜひ、お読み下さい!
日本が世界に誇る名作は数知れずありますが、原作『風の谷のナウシカ』は、間違いなくその中に入ると思います。
もしも『源氏物語』か『風の谷のナウシカ』か?と問われれば、間違えなく私は『風の谷のナウシカ』と答えます!
(『源氏物語』か『伊勢物語』かと問われたら迷いますケド。)
ちなみに、『堤中納言物語』に「虫愛づる姫君」という物語がありますが、『風の谷のナウシカ』の作者宮崎駿は、この姫君からナウシカの着想を得たそうですね。
『ナウシカ学』に真っ向勝負!する際には、存分に「ネタバレ」してしまいますので、どうかそれまでに原作をお読み頂きたいです!
(『ナウシカ学』に真っ向勝負できるのはいつ頃か?それが問題ではあるのですが。)
「腐海」や「巨神兵」について語ると、どうしても「ネタバレ」になってしまいますので、今回の「序章の序」はこのあたりで閉めさせて頂きたいと思います。
そして私も今一度、
原作『風の谷のナウシカ』を、じっくりと読み返したいと思います!
そのうえで、
【『風の谷のナウシカ』から考える!ナウシカ学・守の章】を、近い将来?、上梓したいと思います!
と、いうわけで、
映画版『風の谷のナウシカ』に触発されて、
原作『風の谷のナウシカ』を考えます!序章の序!
を、ついつい勢いで書いてしまいました~
原作『風の谷のナウシカ』がお好きな方、不完全燃焼ですよね。すみません!
【『風の谷のナウシカ』から考える!ナウシカ学・守の章】を、なるべく頑張って準備して行きたいと思います。
いつになるか分かりませんが、請うご期待!
風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」
ではでは、ここまでお読み頂きまして、
誠にありがとうございました!