国分坂ブログ

「歩くこと」「考えること」が好きな、国分坂です!

「話し下手」だから「人付き合い」が苦手?←いやいや!それは「聴き下手」だからでは?(「傾聴」のススメ!)

【要約:コミュニケーションに必要なのは「話すこと」よりも「聴くこと」です!「聴き上手」になれば、話し方は朴訥でも、むしろ好感度は高いはず!】

 

【この記事の対象(特に読んでほしい人):コミュニケーションに自信がない方/対話の勉強をしたい方/「傾聴」に興味がある方】


 

今回は、

「コミュニケーション技法」についてお話させて頂きます!

いわゆる「傾聴技法」などというものですね。

「人付き合い」に活かす技?

そんなお話をさせて頂きます!

 

 

1.はじめに(司法書士とコミュニケーション能力)

私、司法書士なんですが、

まず最初に、

なんで「司法書士」が「傾聴技法」を語るの?というあたりをご説明させて頂きます。

あ、さっさと「傾聴技法」の話をして~!という方は、ここは飛ばして「2.コミュニケーションで重要なのは「話すこと」?「聴くこと」?に進んでくださいね!(上の目次をご利用ください~!)

 

実は最近、

司法書士も「対人支援職」なんていう言い方をしたり、されたりするようになってきました。

 

誰かを「支援」するお仕事。

いろんな支援の仕方がありますが、我々司法書士は「法情報の提供」や「書類作成技術の提供」、そして「コミュニケーション能力での支援」が、主な仕事ということになりそうです。

このなかで、特に重要なのが「コミュニケーション能力での支援」だと、私は思っているんです。

 

「法情報の提供」や「書類作成技術の提供」に関していえば、もうかなりの部分をインターネットでも拾える時代になりましたよね。

ちょっとしたことは「検索」すればいろいろな情報を拾えますし、書類の書き方も「検索」で出てきます。(ただ、例外規定や微妙な解釈などもありますので、重要なことは専門家に確認することをオススメします~!)

 

しかし、ネット社会になっても「コミュニケーション能力での支援」に関していえば、まだまだ生身の人間ができる部分、ネットでは対応しきれない部分が多いのでは?と私は思ったりしています。

このことは、我々司法書士だけでなく、いわゆる「人文系のお仕事」全般にいえることだと思うのですが、どうでしょうか?

 

インターネットが普及していくからこそ、むしろコミュニケーション能力が重要になっていくコミュニケーション能力が武器になる、そんなふうに私は思ってます。

 

私、司法書士会が主催する調停センターの「調停人」もやっているのですが(いわゆるADRと呼ばれる調停です)、ここでの調停人には、コミュニケーション能力が非常に重要なスキルとして要求されます。

われわれの調停センターでは「当事者の対話」をとっても重視しているので、その対話がうまく進むように、調停人がお手伝いをするわけなんですね。

なので、当事者の間に入って、話を引き出したり、交通整理をしたり、丸めたり広げたり伸ばしたりと、まあ、いろいろ工夫するんです。

そのために、コミュニケーション能力がとっても重要!、ということになるんですね。

 

そこで!

今回は、私がこの調停のなかで勉強した「コミュニケーション能力」に関して、ちょっと皆さんにも披露させて頂ければなあ~、と思っている次第なんです!

もしもお時間があれば、是非、お付き合い頂けませんでしょうか~!?

 

2.コミュニケーションで重要なのは「話すこと」?「聴くこと」? 

「人と上手に話せない」だから自分は「コミュニケーション能力が低い」、とお思いの方が、もしかしたら結構いらっしゃるのではないか、と思います。

 

実を言いますと、私がそうでした。

私、子供の頃はホントに話し下手で、自分の考えていることや思っていることを上手く人に伝えることができず、ただただ下を向いている、そんな子でした。

いえ、今も決して「話し上手」というわけではないのですが、「コミュニケーション」に必要とされるのは、「上手に話すこと」ではないのだ、

そのことを調停の勉強をしているなかで理解できたんです。

 

では、「コミュニケーション」に必要とされるのは?

 

それは、「聴くこと」です。

 

いわゆる「傾聴(けいちょう)」ですね。

「相手の言葉に耳を傾けて聴く」、これが「コミュニケーション」において最も重要な能力になるのです。

 

ちょっとここで、クイズを出しますよ?

唐突ですが!!

 

私、法律相談員もたまにやるのですが、

相談者の満足度が高い相談の仕方は、

次の《A》と《B》のどちらでしょう?

というクイズです。

いきますよ~!

 

《A》

相談時間が30分の場合、

10分弱、相談者から話を聞き出し、

20分強、しっかりと解決のための法情報をご提供する。

 

《B》

相談時間が30分の場合、

20分強、しっかりと相談者の話を聴いて、

10分弱、ポイントをしぼった法情報をご提供する。

 

さて、どちらでしょう?

そうです、《B》なんです!

 

私も相談員になりたての頃は、

「なるべく情報を持ち帰って頂きたい!」と思い、

一生懸命、情報提供に励んでいたんです。

でも・・、

なぜか相談をされる方が「不完全燃焼な感じ」が多かったのです。

なんでかなあ、

伝え方が悪いのかなあ?、言い回しかなあ?、

などといろいろ考え工夫していたのですが、

あるとき試しに、

「お話しを聞く」時間と、

「こちらが情報をお伝えする」時間の配分をですね、

逆転してみたんです。

つまり、

先程の問題の《A》パターンを《B》パターンにしてみたんです。

 

するとどうでしょう!

私の感想なのですが、

相談者の満足度が明らかに上がったんですヨ!

今までは割と、もうちょっと聞いてほしい、時間が足りない、というような不完全燃焼な感じの方が結構いらっしゃったのですが、

《B》パターンにしてからは、そのようなことがぐんと減りました。皆さん満足そうにして時間内で終了、というケースが増えたんです。

 

つまりですね、

法律相談という「情報を得るための会話」においてでさえ、相談者は「話したい」のですね。相談者は自分の話を「聴いてほしい」のです。

「聴いてもらう」ことが満足につながるんです。

 

ならば、

「通常の会話」においては、なおさらですよね!

 

情報を得るべき「法律相談」でも3分の2は自分の話を聴いてほしい、

というのであれば、

「通常の会話」ではどうでしょう、

10分の8くらい?

しっかりと「聴いてほしい」のかもしれませんよね。

 

ひとは、誰しも、自分の話を聴いて欲しいんです。

 

それがコミュニケーションの基本、

と考えるのであれば、

「話すこと」よりも、

「聴くこと」の方が重要!

だということが理解できます。

 

そこで、

「コミュニケーション能力」が高くなれば、「人付き合い」がうまくいく、

という事だとすると、

「聴くこと」が上手になれば「人付き合い」がうまくいく、

ということになるはずです!

 

そしてですね、実は、

「聴くこと」は決して難しくないのです。

 

幾つかの「技法」を意識的に用いれば、

一定以上のレベルには、すぐに達してしまうのです。

 

ご紹介しますね!「傾聴技法(けいちょうぎほう)」を!

 

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3.傾聴技法

「傾聴技法」には幾つかあるのですが、

そのうち、割と簡単で、かなり効果的、

というものをお披露目したいと思います!

 

①姿勢と、うなずき(非言語コミュニケーション)

まず最初に押さえて頂きたいのが、

「非言語コミュニケーション」というものです。

「言葉以外」のコミュニケーションスキル、

といった感じです。

 

具体的に言うと、

・話している相手に対し、しっかりと顔と体を向ける。

・腕を組んだり、足を組んだりしない。

・聴く態度を示す。

(:相手が話しているときにスマホをいじらない、など)

 

・・・なんだがマナー教室のようになってきましたが、

でも、これ、コミュニケーションスキルなんです。

最も重要なスキル、ともいえます。

 

ちょっと思い浮かべて欲しいのですが、

もしもあなたがお話しているとき、

相手が体を横に向けてスマホをいじっていたら、

どうでしょう?

 

・・自分の話、聞いていないのかな?

 

と、思いませんか?

 

逆に、あなたが話をはじめたら、

体をあなたの方に向けて、スマホをしまってくれたら、

どうでしょう?

 

・・聴いてくれるんだ!

 

と思いませんか?

しかも、なんだか嬉しくないですか?

 

コミュニケーションスキルは、ちょっとしたことの積み重ねが重要なんですね。相手に「聴いてもらっている」と思わせる行動を積み重ねていく、これが重要です。

(積み重ねが重要、ブログの記事みたいですね~!) 

 

②相づち

相づち、これは相手の言葉に対して、ほんのちょっとだけ「言葉を添える」、そんな感じですね。

「うんうん」とか「はいはい」とか、いろいろあります。

でも、ここも少しご注意を。

人によっては「うんうん」「はいはい」は嫌~!、という方もいらっしゃるのです。

とくに「はいはい」は、かえって「聴いて貰えていない感じ」がする、と思われてしまうことも。

難しいですねえ~。

 

でも、難しくないのです。

「スキル」だと割り切って、

決まった「相づちの打ち方」を身につけてしまえばいいのです。

 

おススメの相づちは、

「ええ」

「そうですか」

「そうですね」

「はい」

これらが無難ですかね。

 

つまりですね、

これからは、「ええ」「そうですか」「そうですね」「はい」の相づちしかしない!

と決めて、それを普段から実行しちゃうんですね。

そうすると、それが「癖」になっちゃいます。

そうなれば、自然と出てきますからね。

全然難しくないのです。

 

そして、無難な相づちは、相手に「聴いてもらえている」という気持ちを高める効果があるんですね。

(「はてなスター★」や「いいね!」ボタンのような感じでしょうか?)

 

③要約

要約、これはちょっと上級スキルです。

相手の話が一区切りしたとき、相手の話を要約してあげる。

これができると、相手は「本当に良く聴いてくれているんだ~!!」と思うはずです。話を聞かなければ、要約は出来ませんからね。

ただ、要約は慣れないと、なかなか難しいです。

でも大丈夫です、 

その場合は、「キーワード」を拾う、があります!

「要約」はできなくても、相手の話のなかに何度か出てくる「キーワード」を拾ってあげて、その「キーワード」だけを、相手の話が一区切りしたときに繰り返してあげる。

それだけでも、相手は「そうそう!わかってるね!」と喜んでくれます。要約と同じような効力を持つんです。

 

そして、「キーワード」の選び方は、決して難しくありません。

相手の言葉のなかから、テキトーに選んでいただいても大丈夫。

ええ、問題ありません。

「キーワード」の選択は、間違えても大丈夫なんです。

 

仮にですよ、

あなたが「キーワード」だと思った言葉が、

相手の意図する「キーワード」でなかったとしても、相手は「いやいや違うのよ~、●●●なのよ~」と修正してくれます。

おそらく、嬉しそうに修正してくれると思います。

なぜなら、

相手にとっては「聴いてくれている」ことが重要であり、「理解していること」は二の次だからです。

相手はあなたが「話を理解していないなあ」と思ったら、更に嬉しそうにあなたに理解させるために話すでしょう。

あなたが「聴く」態度を示していれば、どこまでも話してくれるはずです。

あなたはただただ、それを聴くだけでいいのです。

(キーワード選択。ブログでも重要ですね!でもコミュニケーションにおいては、その選択を誤っても問題なし!です!)

 

④評価する(褒める)

 そして最後に、相手を褒める!ことです!

相手の話が自分の考えと違っていても、その話がどう考えても論理的におかしいかな?と思っても、その話が事実と違うのでは?と思っても、

とにかく、褒めます。

何に対して褒めるかというと、「話をしてくれた」ということに褒めるのです。

「有益な情報を提供してくれた」ことに対して褒めるわけではありません。

だから、間違っていても、無茶でも、なんでも、あなたは相手を褒めることが出来る、わけなんです。

 

つまりですね、

「有益な情報の交換」をすることではなく、

「対話」すること、

これ自体が「コミュニケーション」である、

と整理できるのだと思います。

 

だから、「対話」してくれたことに価値を見出し、それに対して相手を褒める。

そういうことなんですね。

そして「褒める」という行為は、もの凄く相手のテンションを上げてくれます!効果抜群なのです!

総理大臣だって宇宙物理学者だって猫だって、みんな褒められたら嬉しいのです。

(これはまさしく「いいね!ボタン」ですね!)

 

これらの「スキル」を使うと、相手の満足度はかなり高くなるでしょう。

相手はあなたとの会話を、非常に楽しめているはずです。

 

ちょっと、まとめますね!

【傾聴技法のまとめ】

・話している相手に対し、しっかりと顔と体を向ける。

・腕を組んだり、足を組んだりしない。

・聴く態度を示す。(スマホをいじったりしない。)

・相づちを打つ。

 (無難な相づち:「ええ」「そうですか」「そうですね」「はい」)

・相手の話を要約し、相手の話が一区切りした時にそれを挿入する。

 (要約が難しければ「キーワード」を拾って、同じように挿入する。

・褒める、評価する。

 (相手が「話してくれた」ということに対し感謝する気持ちで。)

 

 

でも、ここまで読まれた方のなかには、

 

・・コミュニケーションって、

なんか、面倒くさいなあ・・・

 

と思われた方もいらっしゃると思います。

そう思われた方は、とても真面目で真摯な方だと思います。

 

いままで述べてきたことを、

しっかりと真面目に考えて、真摯に正面から実行しようとすると、それはもう、本当に面倒だと思います。きついです。

 

でもですね、

いいんです、

もっと、「さらり」とやって頂ければ。

 

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重要なことは、

「相手が、あなたに聴いてもらえている」

と感じることでして。

極端な言い方をすると、

仮にあなたが聴いている振りをしているだけだとしても、

相手が「聴いてもらっている」と感じれば、それでOKなのです。

 

つまり、

「あなたが、相手の話をどう聞くか」

ということは、また別の問題なのです。

それは、いわば「情報収集と分析」の問題であり、「コミュニケーション」に関する直截的な問題ではない、のですね。

 

「さらりと聞く」。

けれど、

「ちゃんと聴いているよ」

とアピールする。

これが、まさしくコミュニケーションスキルの神髄なのです。

 

カウンセラーさんの言葉で「避雷針のようにして聞く」というものがあるのですが、同じような感じなんですかね?そんな気がします。

 

なんとなく、不誠実な感じがしますでしょうか?

でも、私は、

「スキルを用いてでも、このひとと会話しよう」

と思ったその時点で、

充分に相手に対して誠実である、

と思うんです。

相手を大切にしたいと思うから会話をする、

相手を大切にしたいと思うからスキルを学ぶ、

そんなふうに私は思っています。

 

如何でしょうか?

 

4.感情などを変化させる「話し方」技法(積極技法)

さて、

いままで「聴く技法」の話をしてきましたが、

最後に、ちょっとだけ、「話し方」の技法もご紹介しますね!

 

①「You(ユー)メッセージ」から「I(アイ)メッセージ」への転換

これはですね、

たとえば、

 

「なんで電話をしなかったの!」

 

という、セリフがあったとします。

これを言った人は、おそらく怒ってますよね。

相手が電話をしなかったことを怒っている。

 

でも、これを言われた方も、非難されていると感じて、

「仕方がないでしょ、忙しかったんだから!」

と、感情的な言葉をぶつけることになるかもしれません。

 

そこで、

「なんで電話をしなかったの!」

を、ですね、

ちょっと工夫して言い方を変えると、

随分と状況が変わるのです。

 

「なんで電話をしなかったの!」

を分析すると、

「なんで(あなたは)電話をしなかったの!」

になります。

そして、この「あなた」を「わたし」に置き換えます。

つまり、

「わたし」を主語にして言う、

「わたし」が最初に来るように言い換えます。

 

そうしますと、

 

「わたしは、あなたに電話をして欲しかったのに!」

 

になるのです。

 

・・どうでしょうか、随分と印象がかわりますよね。

素直な言葉、といいましょうか。

このように言われたら、相手も素直に、

「・・ごめんね」

と言えそうですよね。

 

「わたし」を最初にもってくる言い方、

これを「I(アイ)メッセージ」といいますが、

これを使うと、

相手の行動を断定的に評価したり、非難したりする語感が排除されて、

攻撃的ではない言葉に置き換わるのですね。

 

喧嘩になってしまったときなど、

とても有用な技法ですよ。

是非、使ってみてください!

 

②リフレーミング

これは難しいのですが、決まるとすごい「大技」です!

実は私も、まだ習得できているとは言い難いのですが・・

 

例を挙げてみますね!

 

たとえば、相手が、

「まだ半分しか終わってないよ!」

と嘆いたとき、

「もう、半分終わったんだね」

と、

物事の視点や角度を変えてあげる技法です。

 

でも、これ、下手にやると嫌みっぽく聞こえたりして、かえって相手を怒らせてしまうこともあるのですねえ。

とても要注意なのですが、うまくバチっと嵌ると凄いです。

相手が急に、憑き物が落ちたみたいにして、ネガティブな感情からポジティブな感情に変化することもあるのです。

雰囲気や状況、タイミングを見計らって、ここっ!というときに打ち込む技です!

 

すごい大技!「リフレイミング」!

でも、使い方には要注意!

 

私もばっちり使えるようになりたいのですが、

まだまだ修行中です~!

 

でもでも、

やっぱりコミュニケーションにおいては、重要なのは「聴くこと」ですので、「話すこと」のスキルは二の次かもしれません。

そして、

しっかりと「聴いて」いれば、流暢に「話す」必要は全くない、と思います。

むしろ、「流暢に話す」ひとより、「朴訥に話す」ひとの方が、信用できる、安心できる、という評価を得やすいこともあるようです。

 

話す方のスキルは、

気が向いたら程度でいいのかもしれませんね!

 

・・と、いうわけで、

いかがでしょうか?

お役に立てましたでしょうか?

(なんか、もしかして、

「上からな感じ」でしたら、すみません!

ごめんなさいでした~っ!)

 

 

 

以上、

「話し下手」だから人付き合いが苦手?

でした!

 

ここまでながながとお付き合い頂きまして、

ありがとうございました!

 

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