国分坂ブログ

「歩くこと」「考えること」が好きな、国分坂です!

「クリスマスツリー」と日本の「餅花(もちばな)」の関係。

【まとめ:クリスマスツリーに関する雑文です。例によって、文献的な価値はありませんよ~!】

【この記事の対象者(読んでほしい人):暇なひと/空想好きなひと】

 
 今日は「クリスマスツリー」のお話です!

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ところで、

皆さんは、「餅花(もちばな)」ってご存じですか?

小正月にエノキの木などに、小さく切った色とりどりの餅を飾り付ける行事です。

カラフルな餅は、おそらく木の実などを表現したものであり、春に、多くの実が採れるよう祈る行事だったようです。

このような儀式を「予祝(よしゅく)」といい、「あらかじめ祝福することで、それが実現するように祈る呪術行事」なのだそうです。

古来、日本において、このような行事が各地で行われていたようですね。

 

そうなんです、

「クリスマスツリー」も同じような「予祝(よしゅく)」の行事だった、というのが、今回のお話なんです。

 

そもそも、クリスマスツリーとキリスト教は、直接的な関係はないようですね。

もともと土着的宗教として「聖樹」を祝う行事があったところに、後から入ってきたキリスト教が、なんやかんやと理由付けをしてキリスト教の行事に組み入れていった、というのがクリスマスツリーの由来のようです。

 

クリスマスツリーには、古くから様々な飾り付けをしたようです。ときには生贄を捧げることも。

やがて定番となった飾り付けは、金色の玉と赤い玉。

「金色の玉」は「クルミ」を、「赤い玉」は「リンゴ」を表すようです。

 

「クルミ」は古来から食用とされ、北半球の温帯地域に広く分布していたようです。

 

これに対して「リンゴ」は、キリスト教由来の果実のように思われがちですが、そもそもアダムとイブがエデンの園で口にした木の実は、「知恵の実」「禁断の果実」とされているだけで、「リンゴ」と明記されているわけではないんです。

「リンゴ」は、古来「ケルト」の信仰において、魔力、豊穣、生死をあらわす象徴だったようです。

それに対して「キリスト教」では、「リンゴ」は「悪、堕落、救済」という二面性を象徴する木の実とされます。エデンの園の中央に宿るという生命の樹の「知恵の実」が、「悪、堕落、救済」を象徴というのも、ちょっと妙ですよね。

つまり、もともと「知恵の実」であるリンゴが「悪、堕落、救済」を象徴していた、のではなくて、エデンの園のエピソードによって「知恵の実」とされた「リンゴ」に、「悪、堕落、救済」という意味が付与された、と考えるべきではないでしょうか?

 

つまり、「キリスト教」においては、もともと「リンゴ」は重要な地位を占める果実ではなく、エデンの園のエピソードにより、象徴的な果実になったのだ、と私は考えてみたわけなんです。

なぜなら、もともとキリスト教は、アラビア半島から地中海に始まった宗教ですから、原産地が寒冷地とされる「リンゴ」は、初期キリスト教には存在しなかった果実だ、と考えることができるんですね。

 

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つまり、「リンゴ」は、キリスト教がヨーロッパ北部に布教されていく中で、徐々にキリスト教文化に取り入れられていった果実、と考えるべきだと思うのです。

  

であるならば、むしろ「リンゴ」に重要な意味を付与していたのは、キリスト教以前のケルトやゲルマン部族の信仰だったのではないでしょうか。

先程みたように、ケルトでは「リンゴ」は魔力、豊穣、生死をあらわす象徴でした。

そして、ゲルマンでは、「樫の木(オーク)」を主神ソール(雷神)の「生命の樹」として崇めていましたが、この「樫の木」が「クリスマスツリー」の原型であったようなんです。

 

これらを考えると、クリスマスツリーはキリスト教由来のものではなく、ケルトやゲルマンの信仰に起源があるのだ、と結論できそうですよ。

 

そして、ゲルマンにも、「冬至」に樫の木を飾り付け予祝(よしゅく)する儀式があったんですね。

つまり、

「日本の餅花」も、「ゲルマンの樫の木の飾り付け」も、「冬至」という、太陽の力が最も弱まるときに、太陽の復活を祈り、豊穣を願うアニミズムだったのでしょう。

この2つは、根源的な部分で共通している、と思うわけなんです。

 

現代社会においては、クリスマスシーズンから年末年始は、一年のうちでもっとも華やかな時期だといえそうですが、もともとは、一年の内で最も生存に過酷な時期だったと思います。(特に北半球においては。)

寒く、食料もない時期。

最も命がはかないとき。

 

だからこそ、皆で盛大に祝ったのでしょう。

なんとか希望をもって、

生きていけるようにするために。

 

寒さと飢餓に苦しみながらも、古来から人類は、この時期に、すがるような思いで、木々にむかって祈ってきたのかも知れません。

豊かな春を、豊かな生活を。

 

・・そう思ってクリスマスツリーを眺めてみると、

「華やかな景色がある」

ただそれだけで、

なんとも幸福なことなんだなあ、

と思うことができるような気がするんですね。

 

みなさんは、どのような冬至の頃をお過ごしでしょうか?

 

来年も、実りある一年になるように、

「生命の樹」に祈りを捧げたいものですね!

 

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 以上、クリスマスツリーと餅花の関係、でした!

雑文お読み頂きまして

誠に有り難うございました!

 

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