「赤門」前の「本郷古書店街」をぶら歩き!漱石や鴎外、芥川も歩いたのでしょうか?
さて、前回(本郷・菊坂)の続きです!
私は、文豪たちの旧居跡「菊坂」を後にして、
今度は赤門前の「本郷古書店街」に向かいました!
「菊坂」から本郷通りに出て、本郷通りを北上すること5~6分で、赤門が見えてきましたよ!
【赤門】
赤門です。東京大学の門ですね。
赤門の前にある案内板も年季が入っていますね。
赤門
文政10年(西暦1827年)、加賀藩主前田斉泰(なりやす)に嫁いだ11代将軍徳川家斉(いえなり)の娘 溶姫(やすひめ・ようひめ)のために建てられた朱塗りの御守殿門であり、重要文化財に指定されています。
当時、三位以上の大名が将軍家から妻を迎えた場合、その人と居所を「御守殿」と称し、表通りからその場所に出入りする朱塗りの門を建て、これを「御守殿門」と呼びました。
赤門のなかはもちろん東京大学の構内です。
散策もできますが、大学内ですのでお静かに。
三四郎池(正式名称は「育徳園心字池」)周辺も歩けます。
でも私は「古書店街」が目当てですので、今回はパス。
次の機会に「赤門内部」を歩きたいと思います!
赤門を後にし、本郷通りを反対側(西側)に渡りました。
なんとなく目についた喫茶店。
ずいぶんとソリッドな感じですね。
理数系的雰囲気といいますか。研究室っぽい?
ふと奥を眺めると、細い通りの両側にアパートがずらりと並んでます。
赤門の正面に、東京大学に通う学生さんたちのアパート村が形成されているんですね。
みなさん、学業にサークルに、いそしんでらっしゃるのでしょうか?
頑張ってください!
さて、本郷通りの「古書店街」を北に進みます。
【山喜房】
仏教書を扱う書店です。
仏教書に関しては、専門書から一般向けまで、幅広く取り扱っているようです。
赤門の前、本郷通りの反対側にあります。
【郁文堂】
ドイツ書籍に特化した専門書店です。
独検関連の参考書なども出版しています。
建物がとても立派ですね!
芥川龍之介も「郁文堂」に出入りしていたそうですよ。
(芥川龍之介が記した『その頃の赤門生活』のなかに記載があるそうです。)
【喫茶店ルオー】
ちょっと歩くと、雰囲気のよさげな喫茶店がありました。
珈琲とカレーライスが評判の「喫茶店ルオー」です。
歩き疲れたら一服するのもいいかもしれませんね。
【井上書店】
古典籍、学問書の古書店です。
医学系の古書籍を扱うことでも有名です。
喫茶店ルオーの先にあります。
【万定フルーツパーラー】
路地を挟んだ井上書店の反対側にある「万定フルーツパーラー」です。
古い建物が歴史を感じさせますね。
大正3年創業。建物は昭和3年に建てられたもの。
店内には昭和9年から使い続けているレジスターもあります。
学生の頃、ここで好物のバナナジュースを頂いたのを思い出しますね。
残念ながら、今日はお休みのようでした。
なお、このお店も「カレーライス」が評判のようですよ。
さて、本郷通りをそのまま北上しますね。
【泰雲堂書店】
社会・人文科学系の古書店です。
専門書がずらりと揃いますよ。
【棚澤書店】
泰雲堂のお隣です。
理工・人文科学系の古書店です。
古い木造2階建ですが、明治中期に建てられたものなんだそうです。
関東大震災や東京大空襲でも被害を受けずに、今日まで残りました。
そんな歴史を背負った古書店なんですね。
【森井書店】【伸松堂書店】
「森井書店」は、近代作家の自筆本、初版本などを取り扱う古書店です。
また、山岳関連の古書籍も取り扱います。
「伸松堂書店」は、法律関係の古書店ですね。
法律系の古い雑誌なども扱うようですよ。
【柏林社】【第一書房】
「柏林社」は美術関係や古典籍、和本などの古書店ですね。
「第一書房」は歴史・自然科学など幅広く取り扱う古書店。
また沖縄関係の出版物は業界でも有名なそうですよ。
というわけで、本郷通りをずうっと北上してきまして、
「言問い通り」との交差点まで歩いてきました。
ここあたりで、「本郷古書店街」は終了。
なお、本郷通りから西に路地を入っていくと何店舗かあるようですが、
今日はここまでにしたいと思います~。
「神保町」のようにずら~っと古書店が乱立する、というわけではなく、ぽつんぽつんと点在する、といった感じですが、どのお店も専門性が高そうで、じっくりと回ると一日勝負になりそうですね!
素敵な喫茶店もありますので、古書店巡りで消耗した際や、購入したばかりの書籍を眺める際など、ご利用されてみては如何でしょうか?
さて、本郷通りをそのまま南下して戻るのもどうかと思ったので、帰りは西側の路地を歩いてみました。
すると、素敵な建物がありましたよ。
わっ!「鳳明館」!ここにもある!
菊坂で出会った素敵な旅館 「鳳明館」の別館が、ここ赤門付近にもありました!
おそるべしですね、 「鳳明館」!
再び本郷通りに戻り、赤門を過ぎ「本郷古書店街」に別れを告げます。
それにしても、落ち着いた雰囲気のいい街並みでした。
東大英文科を卒業し、その後、東大の講師にもなった夏目漱石、
東大医学部を卒業した森鴎外、
東大英文科を卒業した芥川龍之介、
その他、太宰治や川端康成、中島敦などなど、
多くの文豪たちが、この「本郷古書店街」をぶらぶらっと歩いていたのでしょうか?
・・そんなことを空想しながら歩いてみると、とても嬉しい気分になりますね。
赤門前から言問通りとの交差点まで、寄り道せずに歩けば10分程度の距離でしかありません。
(もちろん、魅惑的な書店や喫茶店がおいで~おいで~と誘うので、寄り道せずに歩くことは不可能でしょうが。)
もしも「菊坂通り」のお散歩と、この「本郷古書店街」のお散歩をあわせた場合、
「菊坂通り」のお散歩が40分~1時間程度、
「本郷古書店街」のお散歩が1~2時間程度、
途中に喫茶店での休憩を入れたとしても、トータル3時間前後で歩けるのではないでしょうか?
(もちろん、書店に居並ぶ書籍たちとの格闘をはじめてしまったら、果たして何時間かかるのか、想像もつきませんが!)
是非みなさんにお勧めしたいお散歩コースですが、特に明治の文豪好きの方には、強くお勧めしたいです!
本郷通りを春日通りとの交差点付近まで戻ってきました。
日も暮れて黄昏時のなか、本郷薬師の素敵な門が見送ってくれましたよ~!
というわけで、
「赤門」前の「本郷古書店街」を、古の文豪たちを想いながらぶら歩き!
でした!
ここまでお読みいただきまして、
誠にありがとうございました!