小正月(1月15日)に行われる「左義長(さぎちょう)」ってなあに?(ブリブリギッチョウが由来?)
【この記事のまとめ:小正月の火祭り「左義長(さぎちょう)」は、平安時代のスポーツ「毬杖」がその名称の起源のようですよ!】
【この記事の対象(特に読んで欲しい方):雑学好きな方、お暇な方】
1月15日は小正月(こしょうがつ)。
各地で、「左義長(さぎちょう)」や「どんど焼き」などの火祭りが行われます。
皆さんのお住まいでは、どうですか?
神社などで、「左義長(さぎちょう)」や「どんど焼き」、やりますか?
それにしても「左義長(さぎちょう)」とは、聞きなれない言葉ですよね。
この「左義長(さぎちょう)」、一体どういう意味があるのでしょうか?
江戸時代頃まで、毬杖(ぎっちょう)を三つ立てて火祭りを行ったことから、「三毬杖」(さんぎっちょう)と呼ばれ、これが(さぎちょう)に変化し、「左義長」の字があてられた、ということのようです。
では、「毬杖(ぎっちょう)」とは、何でしょうか?
毬杖(ぎっちょう)とは、先に槌(つち)がついた杖(じょう)を振るい、木製の毬(まり:ボールのようなもの)を相手方の陣地に打ち込む遊びのことです。
平安時代にはじまった遊びだそうです。
ラクロスのような、ホッケーのような、そんな遊びだったのでしょうかね?
「振振毬杖(ぶりぶりぎっちょう)」という呼び方もされたそうです。
なんか、いいですね、ぶりぶりぎっちょう。平安時代の人、センスいいです。
(「ねえ、今日もぶりぶり、やる?」なんて会話がなされていたのでしょうか?)
さて、
この毬杖(ぎっちょう)を三本立てて、そのうえに扇や短冊などを結んで焼いたのが、「三毬杖」つまり「左義長(さぎちょう)」の由来、といわれているようです。
「火祭り」をするにあたり、使い古した「毬杖(ぎっちょう)」が、丁度いい具合に利用できた、ということなのでしょうか?
そんな火祭りである「左義長(さぎちょう)」ですが、
その「起源そのもの」は、更に古い、と思います。
つまり、「火祭り」の起源は更に遡ることができ、その「火祭り」の一形式として「左義長」というスタイルが平安時代以降にはじまった、というふうに考えるべきなのではないだろうか、と思うのです。
では「火祭り」の起源は、なんでしょう?
・・正直、わかりませんよね。
ギリシャ神話には、人類創造の神ともいわれるプロメテウスが、天の火を盗んで人々にこれを与えた、という話がありますね。
「火」が「人類のはじまり」を示唆するお話、とも捉えることができそうです。
日本神話ですと、火の神といえば加具土命(かぐつちのみこと)ですね。
この火の神の誕生により伊弉冉(いざなみ)は死んでしまい、その後、伊弉諾(いざなぎ)が治める地上と、伊弉冉(いなざみ)の治める死の世界とに分かれました。
火の神の誕生により、「人の生と死の概念が明確になった」、ということを表している、そんなふうに読むこともできそうですよ。
このように、「火」は人類にとって非常に重要なものです。
「火」を恐れる「動物」たちと、
「火」を恐れずにこれを利用する「人」、
そんなおおざっぱな分類すらできそうです。
このように重要な「火」を、
新しい年の最初の満月のとき(1月の十五夜)に祭った、
それが「左義長(さぎちょう)」もしくは「どんど焼き」の起源なのでしょうか。
このような「新年の火祭り」は、世界的にみられる風習のようですね。
ところで「どんど焼き」の呼び名の起源、
これはちょっとわかりませんね~。
「どんどん焼く」から?
「火」を尊んで、「とうとび」「とうと」などと、はやし立てながら焼いたから?
「すっかり」「きれいさっぱりに」を「とんと」といいますが、「すっかりきれいさっぱりに焼く」から?
・・どうなんでしょう?
「左義長(さぎちょう)」が「どんど焼き」の起源、ともいわれますが、この場合、名称がすっかり変わってしまったのが気になりますね。
「左義長(さぎちょう)」が「どんど焼き」になるには、音便変化や漢字にあてる読み方を変えた、ということではなく、まったく新しい名称を付けた、という変化ですね。
つまり、
儀式内容は伝わったが名称は伝わらなかったので、新たに名称をつけた、
儀式内容は続いたが、名称は一度失われ、その後、新しい名称をつけた、
といったことなんでしょうか?
もしくは、
もともと「左義長(さぎちょう)」と「どんど焼き」は別系統の火祭りであり、儀式として体系化されていた「左義長」が、「どんど焼き」に影響を与えた、
といった推測もできそうですね。
「左義長(さぎちょう)」は、なんだか雅な名称でお公家さんぽいですし、
「どんど焼き」は豪快で、武家や庶民ぽい名称ですよね。
宮中の儀式が庶民に伝わっていったのか、
それとも、
もともと庶民にも火祭りがあり、そこに左義長の要素が伝わったのか、
そんな推測です。
まだまだ謎だらけの「どんど焼き」、そして「左義長(さぎちょう)」、
しかし、人類にとって重要な「火」のお祭りですので、
機会があれば是非、参加したいところですよね!
暖まりますし!
というわけで、
小正月に行われる左義長(さぎちょう)とは?
についてのお話でした!
ここまでお読みいただきまして、
ありがとうございました!