秋にこそ読みたい!『六番目の小夜子』
今週のお題「読書の秋」
秋の夜長に一冊の本を。
恩田陸のデビュー作『六番目の小夜子』のご紹介です!
恩田陸といえば『夜のピクニック』や
『蜂蜜と遠雷』などが有名でしょうか?
今回は恩田陸の処女作である『六番目の小夜子』について、
少しだけお話しさせて頂きます!
最初にこの本の「あらすじ」を極簡単に。
・・これは学校を舞台とする「学園ミステリー」、
もしくは「奇怪な怪談物語」・・・
とある地方の学校で、不思議な『行事』が行われていた。
いや、『行事』というより『しきたり』。
それは『サヨコ』を指名し、引き継いでいくという『しきたり』。
三年に一度、全校中たった一人だけが『サヨコ』に選ばれる。
そして、また三年に一度・・繰り返される。
誰が『サヨコ』なのか。
それは、指名した前回の『サヨコ』と、
指名された今回の『サヨコ』しか知らない。
卒業式の当日、卒業生に潜む『サヨコ』が、
在校生の一人を『サヨコ』に指名するのだ。
『サヨコ』になった者は、四月の始業式の朝、
自分の教室に赤い花を活けなければならない。
自分が『サヨコ』になったことを宣言するために。
そして『六番目のサヨコの年』と呼ばれたその年、
恐ろしい出来事が次々と引き起こされたのである・・
美しい転校生、津村沙世子。
そう、彼女は『六番目のサヨコの年』に、
この学校に現れたのであった・・
えっと、
「あらすじ」はこんな具合です!
この小説の素晴らしいところは、
舞台設定や内容もさることながら、
なによりも「学校生活の生き生きとしたリアリティ」にあるんです!
もしも学生の方がこの本を読んだら、
自分たちの日常生活に潜むかもしれない怪奇に、
ふと、なにかを感じたりするかもしれません。
もしも社会人の方がこの本を読んだら、
自分の学生生活がリアルに甦り、
その記憶の中に霞んでいた不可思議なことを、
急に思い出してしまうかも知れません。
この小説は、
本当に素晴らしい学生生活の一瞬一瞬を切り取り描き、
爽やかな風や光を感じさせてくれつつも、
視界の端に見え隠れするような怪異を、
ふと、思い起こさせるような暲気を漂わせます。
ときに楽しく、ときに懐かしく、
そして、
どこか怖ろしい・・・
そんな『六番目の小夜子』を、
秋の夜長に楽しんでみては如何でしょうか?
なお、ドラマにもなっていますね。
以上、秋にこそ読みたい!
『六番目の小夜子』でした!
ここまでお読み頂き、ありがとうございました!